撮った写真を、見返さない

年末になると、一年分の写真を整理しようと思い立つ。
そして、毎年、挫折する。

仕事の写真は、納品するから、否応なく整理する。
問題は、自分用に撮った、廃村だの古道だのの写真だ。
これが、膨大にある。そして、ほとんど、見返していない。

撮るときは、夢中で撮る。
これは記録しておかなければ、と、何十枚も撮る。
なのに、帰ってくると、もう満足してしまって、見返さない。
ハードディスクの奥に、撮りっぱなしのまま、眠っている。

なぜだろう、と考える。

たぶん、ぼくにとって大事なのは、「撮ること」そのものなのだ。
その場所に立って、ファインダーを覗いて、
この風景を自分は確かに見た、と、刻みつける。
その行為で、満足してしまう。
写真は、その「証拠」として、あればいい。
見返すかどうかは、二の次なのだ。

——と、もっともらしく書いたが、
要するに、整理が面倒で、見返す習慣がないだけである。

たまに、何かの拍子に古いフォルダを開くと、
自分でも忘れていた風景が出てきて、はっとする。
こんなところに行ったっけ。こんなものを撮ったっけ。
記憶より、写真のほうが、よく覚えている。

来年こそ、ちゃんと整理しよう。
——と、毎年、書いている気がする。

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